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自己組織化マップ

解説

 自己組織化マップとは英語でSelf-Organizing-Mapsといい、一般にはその頭文字をとってSOMと呼ばれています。(以下SOMとします)
 
 SOMは多次元の要素を持つベクトル同士の関係を二次元上で表したものです。要素が一つや二つ程度なら二つの関係が近いかどうか人間でも(少し面倒ですが)判断できますが、要素数が増えたり、ベクトルの数が増えた場合にはとても面倒です。しかしそれをSOMで表わすとマップ上のベクトル間の関係からベクトル同士の関係が分かるんです!
 
      簡単に説明すると、二つのベクトル間の色が薄い⇒二つのベクトルは似ている!
                   二つのベクトル間の色が濃い⇒二つのベクトルは似ていない…
            
 
 上図は例ですが、ab間の色は薄いですが、ac間やbc間の色は黒くなっています。このことからaとbは近いベクトルであり、それに比べてcはaとbの二つ共と遠いベクトル(どちらかといえばaではなくb寄りのベクトル)であることが分かります。
 
 
 このように多次元の要素を扱う場合には視覚的に比較ができるためSOMは大変便利です!!
 
そして本研究では、言葉の持つ感情をPlutchik理論によって四つの要素に分けてSOMにしました。

            

 

 研究で扱ったベクトルは100を超えるため、その分大きなマップが必要になります。上の左図はその全体像です。所々白くなっているところに感情値が近い言葉が集まっています。上の右図は一部を拡大し日本語に直したものです。右図の左下の部分には受容の感情を多く持つ言葉が集まり、右側には悲しみの感情を持つ多く言葉が集まる結果となりました。
 
 
 
 ともかく、数式やら配列やらでたくさんの要素を持つたくさんのベクトルの関係を表しても、分かりにくいことが多いんです。発表側と聴衆側の知識が同じはずないんですから。でもSOMなら視覚で確認できるため、多くの人に分かりやすい! また、これだけ便利なのにダウンロードも無料であるため、比較方法などで困っている方は使ってみてはいかがでしょうか?
 
担当:本田

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